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借家人の失火で、古いアパートが焼失したのに、損害賠償を請求された・・・話【NO.151】
冬二(仮称)は、古いアパートを父から相続して10年経っていた。
築40年の古い建物だった。
幸いに、怪我人もなく、火事は消火された。
古い建物だったので、これを機会に建て直そうと思った。
しばらくして転居した旧借家人から、請求書が届いた。
保険会社に問い合わせると、借家人賠償保険ではなく、損害賠償の
請求らしかった。
「借家人の財産を保全する住宅では無かった」との理由で
賃貸人としての債務不履行があったと請求された。
「失火の責任に関する法律」では、放火など除いて責任は追及されない
と思っている人が見受けられます。
過失で火事になっても「仕方がない」と思われています。
日本の建築様式が燃えやすい為、その責任を失火元に負わせるのは
可哀そうだという理由からなのです。
しかし、失火そのものが住宅の不法行為とみなされる場合は、
その損害賠償が問われることになります。
借家であれ、事務用の建物であれ、最終的にはその所有者が
責任を負うことになります。
所有しても、賃貸してもその管理について責任を追及されないように
しておく必要があります。
40年前の建物でも、建築基準法の判断によっては基準不適合住宅
として、その責任を問われる場合があります。
賃貸する以上は、借家人の財産を守るべき建物でなければならず、
今回はその争いとなったのです。
(参照)失火の責任法、民法415・717条 刑法108・116条