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法律の解釈によって差が出てしまう話【No.156】
利夫(仮称)は、今、資金繰りに悩んでいた。
次男の事業の失敗を、手伝ってあげる方法は、
大事な田畑を売るしかないと悩んだ。
親には迷惑をかけたくないと早朝から夜中まで
頑張っている息子だが、思わぬ苦境に立たされて
いるようだった。
「今回だけ何とかならないか」と、息子より相談を受けた。
何とか方法を考えてみても財源は田畑を売るより他
なかった。
しかし、代々継いで来た田畑を売るとなると「人の口」が
恐かった。
「もんもん」と悩み続けた。
自分の息子の事を、誰にも相談することもなかった。
状況は悪くなり、知り合いの不動産業者を訪ねた。
ひたすら、農業に専念して来た彼は、相談して
「ホッ!!」とした。
300坪程度を売ればなんとか息子の援助ができそう
であった。
代々継いだ先祖の土地も維持できる。
幸いなことは、彼が売ろうとしていた土地は
「市街地区域内の農地」だったのです。
一般的に「農業委員会の許可」ではなく、届出で
農地転用ができる土地だったのです。
転用の許可が下りるかも判らない土地とは違っていたのです。
とは言っても、地主が自由に売買できるのではなく、
都市計画法で規制がかかっています。
農地を転用するのは「転用許可」だけではなく「転用の届出」
もあるのです。
勿論、届出の方が規制は緩やかです。
農地法5条は農地を守る為にあり一部を農転し、高く売って
他の農地を残す為にあるのではないと、解釈に複雑な問題を
含んでいます。
(参照)農地法3・5条 農地法施行規則6条 都市計画119条