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受渡証明書を書けば、必ず売らなければならないのか、と悩んだ・・・話【No.159】
宏一(仮称)は、父が自分の為に残してくれた土地を
売る気で「売地」の看板を立て、インターネットにも載せた。
インターネットで問い合わせはあったが、値段等で
折り合いは付かなかった。
3ヶ月経った頃、自分の考える値段で買いたい人が
現われた。
そして、要求された売渡証明書を書いた。しかし宏一は、
生前父が買って置いてくれた土地を、簡単に売って良いのだろうか、
と悩んだ末に、売るのをやめた。
ヒョッとすると、「父は孫の為に、買ってくれたのでは」と
考えたからだ。
やはり、売渡証明を出した以上、そのままで買うという人が
現われたのだから、売らなければならないのかが、問題に
なりました。
こんにち売渡証明書と買付証明書は、単に「やっぱりやめた」で
済まなくなったようです。
民法でも、売買は口答で良いと書かれています。
以前は、売渡証明書が本契約の誘因と見られていたが、
そうとばかりはいえなくなったようです。
買主も、真剣に考えたとすれば、売主が「やめた」と簡単に
結論づける訳にはいかないのです。
法的拘束のあるなしは、条件を付けていれば「そのままの
条件がピッタしならば」契約成立と判断されるケースもあります。
土地の価格が高くなった時代に、昔の感覚ではトラブルに
巻き込まれないようにしなければなりません。
買付証明書と売渡証明書は、今以て争われている問題です。
(参照)民555、556条