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「田畑」を売ったが、台風で買い主とトラブルになった・・・話【No.160】
秋二(仮称)は、田を手放すことに決め、売買契約を結んだ。
しかし、叔父さんに田を貸しており、その了解を得なければならなかった。
父が死亡した時、サラリーマンとして、都会で働いていた彼は、
専業農家をしていた叔父にその土地を耕して貰うこととした。
そして、10年が経っていた。
故郷へ帰る計画も無く、今後の事を考え始めていたその頃、
丁度近くの人がその土地を欲しいと言って来た。
しかしよく調べてみると、登記面積よりも地積が狭く、
地形も変形していたので、新たに測量して貰った。
やっと契約の義務を果たすことが出来ると思った。
一般的には、「売主の物件引渡義務」と「買主の代金支払義務」は
同時履行となります。
又、売買契約には、「果実引渡義務」の条文があり、
引渡しが為される迄は、売主・買主とも権利も義務も免れるとあります。
「秋の刈入れまで待ってくれ」と言う叔父の言葉を待っている間、
運悪く大型台風が来て「彼の田も米もすべて水没してしまった。」
契約の内容は、「不動産が使える」となっており、使えないなら、
契約は破棄する、となっていた。
誰も、50年来、田が水没するなど考えることはなかった。
附属的な果実引渡義務もないがしろにしてはいけません。
「契約は早目に実行される」方が良いでしょう。
(参照)民575条1項