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大きな山を買う時は、山と木は別々だと知らなかった・・・話【No.161】
林三(仮称)は、売りに出された山を買うことにした。
以前から興味のある物件が出たら買おうと考え、
お金は用意してあった。
山を見に行くと小川が流れ、風光明媚な場所で、
一度で気に入った。何かの縁だろうと買うことにした。
普通の売買契約として代金を支払った。
半年経った頃、木を伐採する人がおり、注意した。
「ここは、私の私有地です。勝手に木を切ってもらっては困ります」と。
すると、「何をおっしゃいますか?これは私の木ですよ」と
反論された。
慌てて売主だった人に問い合わせると、「木は別な方に売りましたよ。
判っていたでしょう」と当然のように返答された。
私は山全体を買ったはずなのに、これでは詐欺ではないかと思った。
「立木ニ関スル法律」(リョウボク法)には、
立木ハ之ヲ不動産ト看做スと書かれています。「立木」は土地と
切り離して、譲渡したり、抵当権の目的としたりできるのです。
それ故「立木」は単独として登記できるのです。
しかし、樹木の集団として桧、杉等7種類の樹木のみ限定されています。
どの木でも良いという訳ではありません。
はっきりさせる為、樹木の皮を削って所有者の名前を「墨書」したり
「焼印」して第三者に判るようにします。
これを「明記方法」とされています。
今日も尚、「山」と「樹木」の売買は、契約前に確認することは大事です。
(参照)民86、177条 立木ニ関スル法律1,2条