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  • 相談所物語

2020.06.21

自分の土地だから、かってに通ってはいけないと、柵を立てられた・・・話【No.187】

 茂男は二年前に相続が発生した。父親が子供達の為
と言って、三筆の土地を残してくれていた。
 手続も終わり、自分の土地を見に行って驚いた。
なんと、その土地が柵で通れなくなっていたのだ。
 隣りの人に聞くと、「七年位前から放置されたままで、
枯草など危ないので部分的に私が草を刈っていた」とのこと。
 その土地について登記された公図を調べてみると、
道路に面する土地が他人の名義になっていたのだ。

 不動産屋さんに聞くと、この様な場所は「囲繞」と言われ、
囲んでいる側の土地を「囲繞地」、囲まれた土地は「袋地」
となるとのこと。

 茂男は売却を考えていたが、この問題を解決しないと
どうにもならない土地であった。

 このような土地の場合、囲繞地通行権がありますが、
建築基準法上の接道義務を満たすほどの幅員ではなく、
人が通れる程の小道である場合が多いのです。
 従って、直ちに売却する事は難しく、
隣地所有者に買っていただくか、あるいは隣地を購入するか、
又は公道に至る道を確保した場合は囲繞地通行権は消滅します。
 囲繞地通行権と同様、電気・ガス・水道・電話等の
ライフラインの引込は出来ます。
 囲繞地を通行する場合は、その土地の所有者との金銭を含む約束を
取り交わす必要があります。又、妨害される場合は、物件的請求が
出来ます。

 売却するにしても所有するにしても、
問題を残さないように対処する事が大切です。

(参照)民法210、213